イタリアの世界遺産・ポンペイ遺跡

イタリアの世界遺産ポンペイ遺跡は、古代ローマの都市と人々の生活ぶりをほぼ完全な姿で今に伝える貴重な遺跡です。

1997年に世界遺産に登録されました。

ポンペイ(ラテン語:Pompeii)は、1世紀までナポリ近郊にあった都市国家で、西暦79年8月24日、ナポリ湾を見下ろすヴェスヴィオ火山が大噴火によって、火砕流に流され、降り積もった火山灰に埋もれて壊滅してしまいました。

その後、18世紀に発掘が開始されると、古代都市の様子が、まるで時が止まったかのように出現しました。

大噴火によって、逃げ遅れた人々は、吹きつけた高熱のガスで窒息死し、神殿・劇場・浴場・商店・住居などとともに火山灰の中に埋もれてしまいました。

遺体部分だけが腐ってなくなり、考古学者たちはここに石膏を流し込み、家の中で身を寄せ合う家族、母親が子供を覆い隠し、火山灰から子供だけでも守ろうとした様子、互いをかばい合うように抱き合う恋人などの死の瞬間の姿を再現し、ポンペイのマリーナ門近くの博物館に展示されています。

石膏の人型は、一瞬にして平和な日々を奪われたポンペイ市民の悲劇を伝える世界遺産です。

ポンペイ遺跡の主なものは、広場を囲んで立つアポロン神殿やウェヌス神殿、剣闘士を戦わせた円形劇場、大小の劇場などの公共施設などで、アレクサンドロス大王を描いた床モザイク画や壁画・彫刻などの出土品のほとんどは現在、ナポリの国立考古美術館に移管されています。